デメリットも知り地域密着型サービスへの理解を深める

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地域密着型サービスのデメリット

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要支援だと受けられないサービスがある

まず、地域密着型サービスのデメリットとして挙げられるのは、要支援だと受けられないサービスがあるという点です。要支援1および2の利用者が受けられないサービスが以下となります。
日常生活の機能訓練を行い常時介護が必要となる高齢者向けのサービスである「地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護」、24時間365日体制でサービスを提供している「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」、施設に入居して介護サービスを受けることになる「地域密着型特定施設入居者生活介護」、そして「夜間対応型訪問介護」と「看護小規模多機能型居宅介護(複合型サービス)」。
これらは要支援者の場合はサービスを受けることができません。また、要支援1では受けられないサービスとして、認知症の高齢者が少人数で共同生活を送る「認知症対応型共同生活介護」があります。このサービスについては、要支援2の場合は予防給付をすることで利用が可能となります。

要支援だと受けられないサービスがある

サービス格差による問題

自治体間でのサービス格差も問題となっています。特に、定期巡回・随時対応型訪問介護看護と小規模多機能型居宅介護においてサービス内容の格差が生じていることが調査によって明らかになりました。地域包括ケアシステムが提唱されて以来、格差はどんどん広がっていることが問題となっています。地域包括ケアに積極的に取り組んでいる自治体は事業者と地域住民の協力を推進し、介護予防の実施や地域交流スペースの確保に成功しています。しかい、うまくいっていない地域があることも確かで、整備が遅れている自治体への情報提供が課題となっています。
また、このような格差が生まれていることから、地域密着型サービスの整備が遅れている地域に住む人が、近隣のサービスが充実している自治体に住民票を移して介護サービスを受けようとするケースが増えてしまいました。地域密着型サービスの本来の目的は、利用者の住み慣れた土地で介護サービスを受けてもらうことですので、こうなってしまっては意味がありません。こうした転入問題への対策として、様々な自治体が防止策に取り組んでいます。例えば千葉県松戸市では、原則3ヵ月以上松戸市民であることが地域密着型サービスを受けるための条件としています。そのほかにも、このような転入を「脱法行為」であるとして、サービスを提供している施設に入居事前届出書の提出を義務付けているなど、厳しく取り締まっている自治体もあります。利用者にとっては、できるだけ充実した介護サービスを受けたいという気持ちがあるのは当然のことですので、まずはこのサービス格差を埋めるさらなる努力が必要となっています。

サービス格差による問題