地域密着型サービスのメリット
幅広いサービスの提供
地域密着型サービスは市町村が介護事業者を指定することになるので、サービス基準や介護報酬なども市町村が実情に合わせて設定していきます。そのため、介護サービス提供における回数や時間の設定を柔軟に対応していけるのが運用していく上でのメリットになります。また、従来の介護サービスでは要介護度が高くなるほど複数の介護事業者を利用しなければならなくなりますので、当然ながら事業所ごとに介護職員が異なります。ですが、地域密着型サービスであれば幅広い介護サービスを一つの事業所で提供することができるので、利用者にとっては複数の事業者と契約しないで必要な介護サービスを受けられるというメリットがあります。
柔軟なサービスの提供
地域密着型サービスには「認知症対応型共同生活介護」「地域密着型介護老人福祉施設入居者生活介護」など様々な種類がありますが、その中でも最近特に注目されているのが「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」です。介護職員による定期的な訪問介護から、緊急時の臨時対応など、医療・介護・生活支援が一体となった介護サービスとなります。先述の通り介護を提供する時間帯や回数については柔軟に設定することができるので、利用回数に金額が左右されないなどのメリットがあります。これは、「包括報酬」と呼ばれるシステムになります。このように地域密着型サービスは月額包括報酬制が採用されているので、従来の介護サ-ビスよりも柔軟な対応が可能となっているのです。
手厚いサービスの提供
また、地域密着型サービスを提供する事業所は住宅地に設置することが条件となっているので、利用者からしてみれば愛着のある住み慣れた場所にとどまりながら介護サービスを受けられるという安心感があります。地域密着型サービスの一つである「認知症対応型通所介護」を例にしてみましょう。この施設は定員が12名となっており、地域密着型サービスに含まれない広域の介護サービスよりも少ない定員数で運営されています。比較的小規模で運営されているので、介護職員との距離感もおのずと近くなり、多くのコミュニケーションをとりながら家庭的で手厚いサービスを提供することができるという点も大きなメリットとなります。
ただし、利用者側にとっては注意しておかなければならない点もあります。サービスによっては要支援者だと利用できないものや、そもそも市町村が実施していないサービスなどもあるので、事前に該当窓口へ確認をしておく必要があるでしょう。