もし地元に戻るなら地域密着型サービスに注目

現在都会で働いている人でも、いつかは慣れ親しんだ地元に戻って仕事をしていきたいと考えている人は多いようです。30代以下の介護職員に、地元に帰りたいと思ったきっかけについてアンケート調査をしたところ、その多くは自分の親への心配が理由であることがわかりました。ここでは、実際に地元に戻って働くことを決意した方の経験談も併せて紹介しています。家族や友人のそばで働くということについて考えるきっかけになるのではないでしょうか。

平成18年の介護保険制度改定によって創設されたのが地域密着型サービスとなります。従来の居宅サービスや施設サービスとは異なり、指定権者が市町村となり、利用者もその地域に住んでいる人に限られるというのが大きな特徴です。市町村が主導となって運営していくことにより、地域ごとの実情に応じた介護サービスの提供が可能となります。利用者にとっては住み慣れた地域で介護サービスを受けることができるので、負担が少ない環境で日常生活を送ることができるというメリットがあります。

地域密着型サービスは平成18年に創設され、徐々にその種類を増やしています。現在は「小規模多機能型居宅介護」「看護小規模多機能型居宅介護（複合型サービス）」「夜間対応型訪問介護」「定期巡回・随時対応型訪問介護看護」「地域密着型通所介護」「療養通所介護」「認知症対応型通所介護」「認知症対応型共同生活介護」「地域密着型特定施設入居者生活介護」「地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護」の10種類が主なサービスとなっています。ここでは、それぞれのサービス内容についても紹介していきます。

地域密着型という言葉はあらゆる場面で使われます。例えば教育や医療、スポーツ、企業や農業など、社会生活おける重要な場面で用いられる言葉になります。小中学校では給食メニューに地元の食材を使って伝統継承を行っています。いわゆる地産地消と呼ばれるものですが、こういった取り組みが地域活性化にもつながっていきます。また、地域密着についてより深く理解するために、ここではJリーグのクラブ「FC東京」を例に、地域密着について考えていきます。